HOME 組織について 見えないからこそ、見えてくる。 第1回:中小企業の生存戦略としての「混ざり合う組織」と、ブラインドサッカー

見えないからこそ、見えてくる。 第1回:中小企業の生存戦略としての「混ざり合う組織」と、ブラインドサッカー

見えないからこそ、見えてくる。 第1回:中小企業の生存戦略としての「混ざり合う組織」と、ブラインドサッカー

日本の少子高齢化は止まらず、労働力人口の減少は加速の一途を辿っています。
特に中小企業にとって、人手不足はもはや「いつか解決する悩み」ではなく、企業の存続を左右する「最優先の経営課題」です。
AIに代替させるという選択肢もありますが、それが難しい領域にとっては未だ「採用」が事業存続のカギを握っている状況です。

これまで多くの企業は、自社の社風に合い、言葉を尽くさなくても「あうんの呼吸」で動いてくれる、同質な人材による組織作りを目指してきました。しかし、これからの時代、自分たちに100%合わせてくれる人材だけで組織を構成し続けることは、極めて困難です。

今、求められているのは、異なる背景や価値観を持つ多様な人材が混ざり合い、お互いを認め合いながら、最短距離で成果を出す「強い組織」への変革です。
決して理想論でもきれいごとでもない、これからの企業の組織づくりや事業成長に不可欠なキーワードと言える「多様性・ダイバーシティ」をテーマに、トーコン×ブラインドサッカーという組み合わせから生まれる人事課題へのヒントをシリーズ化してお届けしていきます。

この第一回は、「なぜトーコンがブラインドサッカーに注目したか?」をお伝えさせていただきます。

なぜ、トーコンがブラインドサッカーなのか

私たちトーコンは、2019年より特定非営利活動法人日本ブラインドサッカー協会(以下、JBFA)のパートナーとなりました。
ブラインドサッカーとは、視覚障害のある選手が音の出るボールと声の情報を頼りにプレーする5人制のサッカー(パラリンピック正式種目)です。ゴールキーパー以外のフィールドプレーヤー4人はアイマスクを着用し、音、気配、コミュニケーションを駆使してプレーします。

そもそも、採用支援、集客支援事業を営む私たちが、なぜ一見遠く見える「パラスポーツ」の団体と手を組んだのか?これは、実際多くの企業様から質問をいただきます。(弊社の社員の名刺には、すべてこのJBFAのロゴを入れさせていただいているため、「これ何?」と今でもよく聞かれます)

その理由は、JBFAが掲げる「視覚障がい者と健常者が当たり前に混ざり合う社会の実現」というビジョンにあります。

写真提供=鰐部春雄/日本ブラインドサッカー協会

これは、私たちが支援している企業の「これからの組織のあり方」そのものだと確信したからです。障がいに関わらず、多様な個性が混ざり合うことで生まれる創意工夫や、バイアス(偏見)のないフラットな信頼関係。それこそが、これからの厳しい市場環境を生き抜く企業の「切り札」になると考えたのです。

「見えない」ことが、組織の甘さを浮き彫りにする

トーコンは、ブラインドサッカー男子日本代表スポンサーとして同活動の支援も行っていますが、それだけではなく、JBFAのダイバーシティ啓発プログラムであるOFF T!ME事業のサポートを行っています。
主なプログラムは、企業向けの研修プログラム「OFF T!ME Biz(オフタイム・ビズ)」です。これは、まさにその「混ざり合う組織」を擬似体験する究極のチームビルディング体験を軸にしています。

アイマスクで視覚を遮断した瞬間、参加者は衝撃を受けます。
「あっち」「それ」「いい感じにやって」といった、普段オフィスで無意識に使っている曖昧な言葉が、1ミリも通用しなくなるからです。

視覚という最大の情報源(情報の約8割と言われます)を失った時、残されるのは「言葉」と「信頼」だけです。
研修の参加者は、「いかにこれまでの自分がマイペースだったかに気付かされた」「コミュニケーションを変えるだけで仕事がやりやすくなると実感できた」など、新鮮な気持ちで仲間や組織を考えることができるようになります。

相手が何を不安に感じているかを想像する力

・情報を正確に、具体的に言語化する技術
・迷いなく一歩を踏み出すための徹底した相互理解

これらはすべて、ビジネスシーンにおける「指示のズレ」や「部署間の壁」を解消するために不可欠な要素です。ブラインドサッカーのメソッドは、スポーツの枠を超え、組織のコミュニケーションにおける「甘さ」を浮き彫りにし、劇的な行動変容を促します。

「言行一致」で、社会のバイアスを壊していく

私たちトーコンは「言行一致」「率先垂範」を大切にする会社です。
このメソッドが組織を強くすることを世の中に伝えるために、まずは自らがその体現者になろうと考えました。実際に元ブラインドサッカー男子日本代表強化指定選手であったの日向賢選手を社員として迎え、共に働くことで、私たち自身も多くの「無意識バイアス」に気づき、組織として成長してきました。

「多様性」は、単なる社会貢献のキーワードではありません。異なる個性が混ざり合い、本音でぶつかり、共通のゴールを目指す。そのプロセスで磨かれる組織力こそが、企業の生存戦略となります。

この連載では、ブラインドサッカー×トーコンが提案する「新しい組織の可能性」について、これから様々な実例を交えながら深く掘り下げていきます。

見えないからこそ、見えてくるものがある。
次回の配信では、この研修がなぜ現場の「指示のズレ」をゼロにするのか、実際の事例やメカニズムについてお伝えします!

関連するタグ
関連するタグはありません
前原 加奈
【株式会社トーコン 事業開発室 組織支援G 研修チーム ゼネラルマネージャー 兼 人事採用グループ 広報・採用・成長支援チーム】 東証プライム上場の機械・部品メーカーでの採用担当経験や、大手人材総合企業で大学でのキャリア教育開発等に携わる。現在はトーコンにて、人事として採用や従業員の成長支援を行う傍ら、企業の研修講師なども手掛ける。 <保有資格> ・国家資格キャリアコンサルタント ・日本MBTI協会認定ユーザー ※心理検査のエキスパート資格保有
おすすめ記事Recommended articles