SNS採用最前線!次世代の人材確保戦略の実践ガイド

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「求人を出しているのに応募が集まらない」、「若い人材を採用したいのにアプローチができていない」—こうした悩みを抱える企業が増えています。人口減少社会において、採用市場はますます厳しさを増しており、従来の求人広告だけでは優秀な人材の獲得が難しくなっています。

そんな中、InstagramやTikTokなどのSNSを活用した「SNS採用」が注目を集めています。本記事では、SNS採用の基本から成功事例、効果的な運用方法まで、中小企業でも実践できるノウハウをご紹介します。

【この記事でわかること】
・SNS採用とは何か、なぜ今注目されているのか
・InstagramやTikTokを活用した効果的な採用活動の進め方
・中小企業でも実践できるSNS採用の具体的な成功事例

SNS採用とは?その必要性と効果

SNS採用の定義と現状

SNS採用とは、InstagramやTikTokなどのSNSプラットフォームを活用して、人材の採用活動を行う手法です。従来の求人広告や企業サイトでのリクルーティングに加え、SNSを通じて企業の魅力や社風、仕事内容を発信することで、より幅広い層の求職者にアプローチします。

現在、日本の労働市場では働く人口が減少する一方で、人材を求める企業は増加しており、採用市場の競争は年々激化しています。さらに重要なのは、多くの求職者が「転職潜在層」であるという点です。

【POINT】
つまり、積極的に転職活動をしていないものの、条件が合えば転職をしたいと考えている層(転職潜在層)に、いかにアプローチするかが採用活動での鍵となる!
この状況下で、SNS採用の重要性と注目度は急速に高まっています。

特に若年層を中心に、就職活動や転職活動においてSNSを情報源として活用する傾向が強まっており、企業側もこの流れに対応する必要性が生じています。

SNS採用の3つの目的

SNS採用には、主に以下の3つの目的があります。

新たな出会いの創出:求人広告や人材紹介サービスだけではリーチできなかった潜在的な求職者層との接点を作ります。特に、積極的に転職サイトを見ていないが、魅力的な機会があれば転職を考える層へのアプローチが可能になります。

求職者の動機形成の促進:求人情報を見た人が企業について調べる際、多くの場合SNSも確認します。企業のリアルな日常や社風、働く人の様子をSNSで発信することで、応募への動機づけを強化できます。

社内エンゲージメントの向上:自社のSNSを社員が見ることで、会社への愛着や誇りが高まる効果もあります。採用活動だけでなく、既存社員の満足度やモチベーション向上にも寄与します。

中小企業にこそSNS採用がおすすめ

「SNS採用は大企業が行うもの」という認識が持っている方もいるかも知れませんが、実際には企業規模に関わらず導入可能です。むしろ、中小企業ならではの魅力や独自性を活かしたSNS運用ができる点がメリットとなります。

【POINT】
大企業では伝えにくい「アットホームな社風」「意思決定の速さ」「社員一人ひとりの裁量の大きさ」といった中小企業ならではの強みを、SNSを通じて効果的に発信できます。また、社長や経営陣の人柄や経営理念を直接伝えることで、共感する人材との出会いを生み出せます。

就活生のSNS利用実態

トーコンが596人の学生にとったアンケート調査では、約67%の学生がSNSで就職先の情報を収集しているというデータがあります。特に20代の若者のコミュニケーションツールは、LINEからInstagramへと移行しつつあり、企業がSNSを採用活動に活用するのは自然な流れと言えるでしょう。

【POINT】
若年層は企業のホームページだけでなく、SNSでリアルな情報を確認する傾向が強く、企業文化や日常風景、実際に働いている人の様子など、公式サイトでは得られない情報を重視しています。

このような就活生・若手人材の行動特性を理解し、SNSを通じて適切な情報発信を行うことが、若い人材の獲得には不可欠となっています。

効果的なSNS採用の進め方

SNS採用のフローと基本戦略

SNS採用のプロセスは大きく分けて3つのステップで進みます。

まず「認知」のフェーズでは、SNSを通じて企業のことを知らない人に対して認知度を高めます。次に「興味・関心」のフェーズで、SNSの投稿内容に興味を持った人が企業のホームページを訪問したり、詳細情報を確認したりする流れを作ります。最終的には「応募・行動」のフェーズへと導き、実際の求人応募につなげていきます。

【POINT】
3つのステップを効果的に進めるための基本戦略として重要なのは、一貫したメッセージと企業の個性の発信です。
単に「求人情報」を発信するだけでは、SNSの特性を活かした採用活動とは言えません。自社の魅力や価値観、社員の日常、仕事の裏側など、求人情報だけでは伝わらない「リアルな姿」を継続的に発信することが、SNSを使った採用成功には欠かせません。

また、SNSは「情報保管庫」としての機能も持っています。企業のホームページを見た人が、さらに詳しい情報を得るためにSNSを確認するという流れも一般的です。そのため、公式サイトとSNSの情報に一貫性を持たせながらも、SNSならではの視点や切り口で補完的な情報を提供することが重要です。

採用に効果的なSNSプラットフォームの選び方

現在、採用活動において最も効果的なSNSプラットフォームは「Instagram」「TikTok」です。特に若い世代の利用率が高く、ビジュアルやショート動画を通じて企業の魅力を効果的に伝えられます。

Instagram:幅広い年齢層に利用されており、写真や短い動画、ストーリーズ機能などを通じて、企業の日常や社風、社員の様子を視覚的に伝えるのに適しています。また、ハッシュタグ機能を活用することで、特定のテーマに関心を持つユーザーへのリーチも可能です。

TikTok:若年層を中心に急速に普及しており、短尺の動画コンテンツで企業の魅力を伝えるのに効果的です。特にZ世代へのアプローチを重視する場合、TikTokの活用は必須と言えるでしょう。トレンドに乗った動画や、職場の雰囲気を伝える楽しい動画は、若い人材の関心を引きやすい特徴があります。

X(旧Twitter):業界によっては効果的なプラットフォームとなります。特にIT業界や専門職など、特定の分野の情報発信やコミュニティ形成に適しています。

コンテンツ企画のポイント

SNS採用で成功するためには、魅力的なコンテンツ作りが欠かせません。以下のポイントを意識してコンテンツを企画しましょう。

【POINT】
1. ターゲットを明確にする
採用したい人材像を具体的に設定し、その層が関心を持ちそうな内容を考えます。
2. 企業の独自性を活かす
他社と差別化できる自社ならではの魅力や特徴(社風、働き方、福利厚生など)を積極的に発信します。
3. リアルな職場環境を見せる
実際の業務風景やオフィスの様子、社員の日常など、求人情報だけでは伝わらないリアル感のある内容が効果的です
4. 社員を主役にする
実際に働いている社員の声や姿を通じて、「この会社で働くとはどういうことか」をイメージしやすくします。
5. 定期的な投稿を計画する
一貫した頻度で投稿を続けることで、フォロワーの信頼を構築します。

具体的なコンテンツ例としては、「社員インタビュー」、「一日の業務の流れ」、「職場の雰囲気」、「会社イベントの様子」、「成長ストーリー」、「業界のトレンド解説」などが挙げられます。これらを計画的に組み合わせることで、多角的に企業の魅力を発信できます。

運用体制と役割分担の明確化

SNS採用を継続的に運用していくためには、明確な役割分担と運用体制の構築が不可欠です。多くの企業がSNS運用を始めるものの、担当者が不明確で途中で頓挫してしまうケースが少なくありません。

効果的な運用体制を作るためのポイントは以下の通りです。

【POINT】
1. 責任者と担当者の明確化
SNS運用の最終責任者と日常的な投稿管理の担当者を明確に決めます。
2. 複数人での分担制
1人に負担が集中しないよう、コンテンツ企画、撮影、編集、投稿など役割を分散させます。
3. 投稿スケジュールの策定
月間・週間での投稿計画を立て、コンテンツの偏りを防ぎます。
4. 緊急対応フローの整備
炎上リスクなど、問題が発生した際の対応手順を事前に決めておきます。

また、社内リソースだけでの運用が難しい場合は、外部のSNS運用支援サービスを活用するという選択肢もあります。専門家のサポートを受けることで、効率的かつ効果的な運用が可能になります。

SNS採用の成功事例

ここでは、トーコンで伴走支援させていただいたSNSを活用した採用成功事例をご紹介します。

【事例1】従業員数100名弱規模の運送会社様

関東を中心に全国配送を行う運送会社である株式会社ベーシック様では、「家族を大事にする会社」というコンセプトを前面に打ち出したSNS運用を開始しました。運送業界はドライバー不足が深刻な課題となっていますが、この会社は従来の求人広告では伝わりにくい「家族との時間を大切にできる働き方」をInstagram、TikTokで発信しました。

具体的なコンテンツとしては、ドライバーが家族との時間を大切にして働ける様子を描いたショートドラマや、仕事内容や業界ならではの専門用語などを親しみやすく紹介する動画、採用担当者自ら呼びかける求人募集動画などを作成しました。

結果:SNSへ投稿したショート動画は18万回(※)以上再生された動画もあり、認知が一気に広がりました。従来のドライバー採用では接点を持てなかった層からのDMを通じた問い合わせが増加し、実際に応募・採用につながりました。
特に「家族との時間を大切にしたい」という価値観を持つ人材とのマッチングが向上し、入社後の定着率も改善しています。
※2025年3月時点

実際の動画はこちらの記事で紹介しています↓
【実例で解説】採用ショート動画の効果的な活用法|応募が爆増した企業の戦略とは

【事例2】大手美容クリニック様

国内外に225院(2024年12月時点)を展開する日本最大級の総合医療グループであるSBCメディカルグループ(湘南美容クリニック)様は、地方採用や新卒採用においての認知拡大のためInstagramとTikTokを活用した採用活動に取り組みました。

具体的には、実際の従業員の経験や成長ストーリーを中心に据えたショートドラマ動画などを作成しました。また、創業者の教育に対する想いも織り交ぜることで、企業としての価値観も効果的に伝えています。運用面では、DM自動返信ツールなどを活用して効率化を図り、応募者とのコミュニケーションをスムーズに行える体制を構築しました。

結果:子育て世代のスタッフの1日に密着した動画は23万回以上(※)再生されるなど、認知が広がりました。Instagram経由で月間エントリー数が12名、うち2名が採用に至っています。特に若い世代からの関心を高めることに成功しました。
※2025年3月時点

実際の動画はこちらの記事で紹介しています↓
TikTok&インスタで採用力アップ|湘南美容クリニック様採用マーケティング事例

SNS採用導入のためのリソースと費用

必要な予算の目安

SNS採用を始める際の費用は、運用の規模や方法によって大きく異なります。基本的なSNSアカウントの開設自体は無料ですが、効果的な運用のためには一定の予算確保が必要です。

InstagramとTikTokをまとめて運用する場合、最も基本的なプランで月額約30万円~が相場となっています。これには、コンテンツ企画、撮影、編集、投稿管理などの基本的なサービスが含まれています。ただし、企業の規模やニーズによって、より低予算から始めることも可能です。

また、費用は大きく「初期費用」と「運用費用」に分けられます。初期費用にはアカウント設計やコンセプト策定、初期コンテンツの作成などが含まれ、運用費用には定期的なコンテンツ制作や投稿管理、分析レポート作成などが含まれます。

自社のリソースや予算に合わせて動画制作のみを外注するなども可能です。

内製と外注の使い分け

SNS採用の運用方法は、完全内製、一部外注、完全外注など様々なパターンがあります。それぞれのメリット・デメリットを理解して、自社に最適な形を選ぶことが重要です。

<完全内製>
メリット
・自社の状況に合わせたタイムリーな投稿が可能
・コストを抑えられる
・社内の情報や雰囲気をリアルに伝えられる
デメリット
・担当者の負担が大きい
・SNS運用のノウハウやスキルが必要
・クオリティの維持が難しい場合がある

<外部委託>
メリット
・プロの技術とノウハウが活用できる
・定期的かつ安定した投稿が期待できる
・社内リソースを節約できる
デメリット
・コストがかかる
・社内の状況を完全に把握してもらうのが難しい
・意思疎通に時間がかかる場合がある

実践的なアプローチとしては、初期段階では外部のサポートを受けながら運用し、徐々に内製化していくという段階的な方法も効果的です。また、内容によって使い分けることも可能です。例えば、日常的な投稿は社内で行い、クオリティの高い動画制作や特別なキャンペーンは外部に依頼するといった方法です。

効果測定の方法

SNS採用の効果測定は、従来の求人広告と比べて複雑ですが、適切な指標を設定することで効果を可視化できます。主な測定指標としては以下のようなものがあります。

SNS上の指標
・フォロワー数の推移
・投稿へのエンゲージメント(いいね、コメント、保存など)
・リーチ数・インプレッション数
・ストーリーの閲覧完了率
・DMやメッセージの問い合わせ数

採用活動への影響
・SNS経由の応募数
・応募者の質(スキルマッチ度、文化適合性など)
・採用成功率
・採用コスト削減効果
・入社後の定着率

効果測定を行う際の注意点として、SNS採用はすぐに成果が出るものではなく、中長期的な視点で評価することが重要です。また、単純な数値だけでなく、「どのようなコンテンツに反応があったか」、「どのような層からの応募が増えたか」といった質的な分析も併せて行うことで、より効果的な改善につなげられます。

【POINT】
フォロワー数やいいねの数は増えても、実際の応募や採用に結びつかなければ本質的な成功とは言えません。定期的に効果測定を行い、PDCAサイクルを回しながら改善を重ねていくことが、SNS採用の効果を最大化するポイントです。

トーコンのSNS採用マーケティングサービス「バズリクルート」

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まとめ

■SNS採用とは…
InstagramやTikTokなどのSNSプラットフォームを活用して、人材の採用活動を行う手法
です。人材不足が深刻化する現代において、従来の採用手法では出会えなかった層へアプローチする有効な戦略です。InstagramTikTokを活用し、企業の魅力や社風をリアルに伝えることで、特に若年層の採用に大きな効果を発揮します。
成功の鍵となるのは、ターゲットを明確にした一貫性のあるコンテンツ発信と、長期的な視点での運用です。

SNS採用は大企業だけのものではなく、むしろ中小企業ならではの魅力を発信できる効果的なツールです。コストや運用体制に応じて、内製と外注を柔軟に組み合わせながら、早期に取り組むことでアドバンテージを得られるでしょう。

SNS採用にご興味がある方は、まずは無料相談から承りますのでお気軽にお問い合わせください。採用課題に精通したプランナーが、「どのように始めれば良いかわからない」、「効果的なコンテンツのアイデアがない」といったお悩みにも丁寧にお応えします。

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株式会社トーコン
電話番号:0120-880-935 (受付時間 9:00-18:00)

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    株式会社トーコンのNEWSサイト編集部、ライターの江川です。トーコンは昭和41年の創業より、採用領域で半世紀以上積み重ねてきたノウハウで、お客様の採用/組織を一歩前に進めるご提案をいたします。